産後に起こる身体の変化

妊娠・出産を経たママさんのお身体はすぐに妊娠前のように戻るわけではありません。「産褥期(さんじょくき)」の間、様々な不調や産前には見られなかったさまざまな症状が出てきます。

足のむくみ

妊娠中は、赤ちゃんへの栄養や羊水などで妊娠前と比べて血液の量が約 1.5 倍に増えています。それがお産によって羊水や出血などによって一度に多くの水分が失われますので、体内の水分バランスが悪くなり生理的に水分をため込もうとするため、むくみやすくなります。また、授乳によっても体の水分が奪われますし、授乳中は足を下にする時間が増えるので足がむくみやすくなります。
水を飲むとむくむと思われがちですが、実はその逆です。1日2リットルを目標にこまめに充分水分補給をすることが大切です。マッサージやストレッチを行って血流を良くすることも効果的です。

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子宮の回復

出産直後に子宮は強く収縮し、出血が止まります。産後6~8週間後に子宮は妊娠前と同じ大きさになります。産後骨盤矯正はこの確認がとれる1ヶ月検診が終わってから承っております。

看護師 mahiro氏 レポート「子宮復古の観察とケア」から引用

後陣痛

子宮が収縮する際に、下腹部に痛みを感じることがあります。これはプロスタグランジンというホルモンが生成されるためですが、子宮が順調に回復しているサインで、産後2~3日で治ることが多いです。生理痛もこのプロスタグランジンが原因です。
2度目以降の出産後は初産時よりも強く痛みを感じることが多いです。

悪露(おろ)

出産で剥がれ落ちた内膜や胎盤、傷からの分泌物を含んだ子宮からの出血です。出産直後~3、4日目までは量も多く赤い色をしていますが、子宮の収縮が進むにつれて、徐々に量も減って茶褐色になってきます。1ヶ月検診のときに白色無臭なら回復は順調です。検診後の赤いおりもののほとんどは、生理の再開か機能性出血なので心配はいりませんが、色が汚かったり、においがきつい場合は膣炎のサインなので注意が必要です。かかりつけの横浜市内の産科病院や助産院にご相談ください。

腟・外陰部の痛み(経腟分娩の方)

分娩時に自然裂傷や会陰切開をしたときは、分娩直後に傷を縫い合わせます。最初の数日は傷そのものが痛み、そのあとは縫合した糸がつる事で痛みがつづきます。自然にとける糸を使用しているため抜糸はありませんが、糸がとけるまでに 2 週間から1か月程度かかるため違和感が続くことがあります。排尿や排便時に恐怖を感じたりする方もいるかもしれませんが、いきんでも傷口が開いてくることはありません。円座をつかうなどして傷口に負担をかけないようにし、傷口を清潔に保つようにしましょう。

目の疲れ

出産後は、かすみ目や視力が低下することがあります。出産の疲労や育児の睡眠不足に加え、目と繋がっている腎臓が、産後は赤ちゃんに毒素がいかないようにフル回転します。そういった要素が重なって目の疲れとして出てきます。これは一時的なものなので、長時間のスマホなど、目を疲れさせる行為は極力避けましょう。直立して首を後屈(なるべく天上の後ろの方を見る)ストレッチも効果的です。

便秘

出産時の出血による水分低下、授乳による水分低下によって起こります。また出産時の会陰切開の傷の心配や、赤ちゃんの心配でトイレの時間がとれないまま便秘になってしまう方もいます。対策としては水分補給と食事が重要です。1日2リットルを目標にこまめに水分補給をしましょう。食事はイモ・豆・きのこ・根菜類や乳酸菌を含むものを多く摂りましょう。
図のような「まごはやさしい」を注意してみてください。

mago


それからトイレに行く事も大切です。赤ちゃんが泣きだしてついトイレを後回しにしがちですが、少しの間であれば泣いていても問題はありませんのできちんとトイレで便を出すようにしましょう。

骨盤不安定性

出産時は最大限に骨盤がひらくので、産後すぐはまだ骨盤が不安定な状態です。そこに妊娠中からの筋力の低下、抱っこや授乳の無理な体勢、それに伴う骨盤の歪みなどが原因となり腰痛・恥骨痛が起こりやすい状態です。抱っこや授乳の姿勢も無理は禁物。授乳時はクッションやタオル等を利用し楽な体勢で行う、抱っこの時も歪んだ体勢で抱っこしないなど気をつけましょう。

投稿者プロフィール

佐伯 和彦
佐伯 和彦代表
産前産後ケア専門 和ぎ整体院 代表
柔道整復師
横浜、関内、桜木町、馬車道を中心に産前産後専門の治療・整体を行う傍らで、産前産後ケアを拡めるために事業開発にも取り組んでいます。